2009年4月26日日曜日

「リーダーシップとは、逆ピラミッド組織の一番下側に位置している・・・」



「リーダーシップ」とは何を意味しているのだろうか?!
果たして、ピラミッド組織の頂点に立ち、命令や指示を出す意思決定者を意味するのだろうか。

人間は単独で社会生活を続けることが困難である。
そこで集団を形成し、社会を構築してきた。
社会を構成する組織として一番小さなものが「家庭」であり、
また、一番大きなものが「企業」や「国家」であるだろう。

社会は大規模な組織を維持するため、
機能に従い分業化することにより効率化を実現している。

人間は誕生してから死去するまで継続して社会の構成員であり、かつ、
われわれが生活する社会の行為者でもあるのだ。
その行為を労働と呼び、労働の対価として報酬を獲得している。

国家、地方自治体、企業などは各々、大規模な組織を維持・発展するため、
毎日、多くの意思決定判断を余儀なくされる。目的は、社会に貢献するためである。

先週、テルモ株式会社 代表取締役会長である和知孝氏の言葉に深く感動した。

和知氏によると、『リーダーの条件』とは、
「人の心に火を点けること」であるという。

しかも、驚いたことに同社では成果主義をはずす活動に取り組み開始している点だ。
テルモでは、「アソシエイト・プライド」と呼ばれるチーム性を重視している。
目指す企業風土は、「全員で考える」。
そのため、「安住」「指示待ち」「無関心」は許されなくなる。

さらに、皆が避けることをリーダーが率先して取り組む点である。
リーダーとは、「自らやる」(実行主体)、「難しいほうをやる」(責任)、
「自流でやる」(人材/実行力)が大切になるという。

「リーダーシップ」とは、ピラミッド組織の頂点に立つものではなく、
ピラミッドを180度回転させ、
頂点を一番下側にした最下端に位置するのが
日本が目指す「新しいリーダーシップ像」であるかもしれない・・・と実感した。

そこで思い出されるのが、ピーター・ドラッカー氏の言葉である。

「わたしたちに必要とされているのは、リーダーを待望する姿勢ではなく、
リーダーの登場を恐れることなのです。彼らが象徴しているものや、
彼らが代弁する価値が信頼に値するか、それを見極めることなのです」と。

ドラッカー氏が言いたかったこと・・・それは「カリスマ性」の否定に他ならない。

「リーダーシップ」とは、逆ピラミッド組織の一番下側で現場を応援する「縁の下の力持ち」を意味するのでないだろうか。

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