2007年12月18日火曜日

日本の経営、和洋折衷(ハイブリッド)は大きな岐路に直面している・・・・?!

米エコノミスト誌は、「日本の経営」の今後に注目している.....

バブル崩壊後15年を経て、日本企業は従来の経営モデルを踏襲しながら、
西洋の経営モデルを適用しながら、次なるステージへ歩み出しているという。
この新しいステージのことを、同誌は「ハイブリッド」と呼んでいる。
この言葉は、欧米市場で躍進しているトヨタ自動車のハイブリッド車、「プリウス」から来ている。

日本の旧来モデルは、エコノミスト誌によれば3つの主要な要素に基づいていたという。
一つ目は、従業員は生涯同じ会社で自分たちの一生を過ごすという終身雇用制、
二つ目は、賃金について、能力というよりはむしろ在任期間の長さと結び付ける年功序列型の支払い制度、三つ目は組合と管理の間で綿密な協力促進を行う組合制度である。

これら三つが、高度経済成長の日本にとって追い風となっていた。
しかし、同誌はすでに日本は発展途上国ではなくなっていると指摘。
また、これらすべてはビジネス成長のブレーキとして機能していると述べている。

さらに、日本は、より世界経済と密接に組み込まれ、
急成長している海外市場へ展開し、サービスセクタにおける改良に取り組む必要があるという。だが、カリフォルニア大学バークレイ校の政治学者であるSteven Vogel氏は、
"新しい"日本式経営は、米国モデルに従わないと説明している(But a funny thing happened on Japan's way to the American model—it never got there)。

1980年代、多くの米国企業は短期の業績結果に注力していた。
元マッキンゼーのコンサルタントであるトム・ピーターズ氏は、
同氏の著書である「エクセレント・リーダー」の中で、
多くの企業は、「経験曲線」に従って、自社のビジネスを実践していくと述べている。
その結果、企業の中で監査役が大きな地位を占めるようになり、
「品質向上」や「サービス重視」といった視点が蔑ろにされていった。
如何に、他社より安価な製品を、かつ、大量に作るかを追求していたのである。

だが、われわれが現在、目にしているハイ・パフォーマンス企業とは、
安価な製品よりは、むしろ、「差別化」「効率性」「俊敏性」「リーダーシップ」「イノベーション」などに挑戦している企業であるだろう。

下記リンクのレポートは2007年5月、米IBMのポータルで公開された資料だ。いま、日本のエレクトロニクス企業にとって大切なことは、"カイゼン"などのような漸次的な変化よりはむしろ、マーケティングや経営面において、大きな変革が求められている、と指摘している。

「Really good improvement; step-by-step, process-by-process. But what’s needed now is something very different. It’s not incremental change, it’s transformational change」

なぜならば、グローバル競争であるからだ。しかも、われわれが直面している変化とは、不連続的な変化であって、これらに対応していくためには、かつてなかったほどのグローバル規模でのマーケティング戦略が重要になってきている、と述べている。

つまり、日本国内の変化よりも、海外の経済成長率のほうが劇的な成長率(400%)で拡大しているため、実は、日本企業はその国際的なポジション(シェア)を毎日に消失していることになるという。

*IBM report "Winning the Global Challenge"
http://www-935.ibm.com/services/us/gbs/bus/pdf/winning-podcast.pdf

いま、日本はコーポレートガバナンス(corporate governance)、労働市場(the labour market)、新興ビジネスやイノベーション(the climate for entrepreneurs and innovation)、そして、経済のグローバリゼーション(globalisation)の課題に直面している....

世界は次なる新日本経営、ハイブリッド・モデルに注目している.....

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