2008年2月10日日曜日

「The World is Flat、何が変わるのか、何を変えなければいけないのか・・・・?!」

The World is Flat」、世界は情報に関して水平的につながってしまった。この言葉は、米NY Times紙のコラムニストであるトーマス L. フリードマン氏が書いた本のタイトルだ。

約5年前、企業幹部など招いた都内の経営説明会に同氏は訪れた。当時、日本は世界のどこよりも安く、インターネットが利用できるネットワーク先進国であった。



同氏によると、いま、『時代は“Globalization 3.0”の真っ只中にある』という。「Globalization 1.0」とは、われわれの祖先が、自分たちの住んでいる隣、つまり、同じ陸つづきの先に別の国があることに気づいた(馬などの移動手段を通して)。その後、船が発明され、人類は海を横断するようになった。コロンブスのアメリカ大陸発見とは、まさに、次なる新大陸発見の「Globalization 2.0」を指しているだろう。そして、「Globalization 3.0」とは、人類はインターネットを介して、情報に関して水平的につながってしまったことを意味している。

フリードマン氏は説明会の中で、この「"情報"に関して」が特に大事であると強調していた。なぜならば、「Globalization 3.0」とは、『「知っている人」と「知らない人」が共存している社会』を意味するからという。

分かりにくいかもしれない。具定例で説明したい。Globalization 1.0とは、目で見れば誰もが理解できることだ。隣国で、自分たちと衣装や髪型、話し言葉の異なる人々が生活しているという事実だ。また、Globalization 2.0の場合、少し分かりずらいけれども、海の向こうに異なる大陸があることは時間経るに従い、その客観的な事実を理解する人が増えるだろう。ところが、「Globalization 3.0」は過去と異なるという。例えば、皆さんは今朝のニュースをどこから手に入れるでしょうか?! 日本でしょうか?! それとも、WSJやNY Timesなど米国でしょうか?! それとも、インド?! もしくは、中国?! 当然、お話される相手が日本人であるならば、米国のトップ記事に載っていた内容を話しても、コミュニケーションに時間かかるかもしれない。ましてや、全くコミュニケーション成立しないなんてことも全く否定できないだろう(起こり得る時代こそが「Globalization 3.0」)....

また、米国のサウスウエスト航空の場合、(インタネット・アクセスを)知っているひとであれば、事前に「eチケット」で手配し、座席まで決めてしまう。一方、何も知らない人は、依然としてカウンターに3時間、いや、4時間前に出かけ、座席の直接交渉を行う....「知っている人」と「知らない人」が共存している社会が、「Globalization 3.0」であるという。

この「Globalization 3.0」は、企業にとっては深刻な課題だ。世界の情報に対して問題意識を持っているビジネスマンが存在している一方で、全くインターネットをアクセスしないドメスティック人間がいるとしたらどうなるか.....まして、後者が組織上の上司である場合、部下は上司に物言いできなくなるだろう。なぜならば、組織のピラミッドとは、意思決定のヒエラルキーにより構築されているからだ。仮に、「Globalization 3.0」において、マネジャーがドメスティックな考え方を持っているとしたら....そして、2年、3年、5年そのまま経過するならば・・・・?!

フリードマン氏の言葉で興味深かったことがもう一つある。『好奇心(Curiosity)を継続することが大きな価値をもたらす・・・・』という。これまでの時代は『左脳を重視』する時代であった。しかし、ネットワークを介して世界がつながり、フラットになってしまった現在、参考書や教科書、受験問題を解く能力であるならば、世界のリソースとマンパワーが活用できるという。

同氏は、これからの時代は『右脳の時代』に転換されるという。左脳は、主に「Innovation」「Imagination」「Invention」「共感・感銘」など、創造的な能力をつかさどっており、個性や独自性が発揮される。現在、われわれはGoogleや海外メディアなどの有力な情報を活用・駆使することによって、膨大なゴミ情報の中から、宝石を発掘し、選別された情報を蓄積しながら、評価・分析できる。さらに、ネットワークの普及によって、企業や個人が簡単にブログや掲示板で情報発信し、ダイレクトに利用者とコミュニケーションできる.....

「The World is Flat」、この言葉の意味は深く、そして、その影響力は想像以上に大きい・・・・?!

もしかすると、「ネットワーク」は「コミュニケーション」を意味し、「WWW」はわれわれ自身を意味しているのかもしれない......

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